基本情報
- 名称:飯生神社(いいなりじんじゃ) ※「いぶ」と読まれることもありますが、正式には「いいなり」と読みます。
- 所在地:北海道山越郡長万部町字長万部379
- 御祭神:天照大神(あまてらすおおみかみ)、大国主命(おおくにぬしのみこと)、倉稲魂命(うかのみたまのみこと)
- 創建:1773年(安永2年)
- 例祭日:8月9日、10日、11日
突如出現した「巨大水柱」のミステリー
飯生神社を一躍全国区にしたのは、2022年8月に発生した「巨大水柱」事件です。
例大祭を目前に控えた8月8日、神社境内の林の中から、突如として轟音と共に高さ30メートルを超える水柱が噴き上がりました。この水柱は約50日間も止まることなく噴出し続け、その光景は「神様のお告げか」「奇跡の噴泉か」と大きな話題になりました。
- 裏話:この場所は、1958年(昭和33年)頃に地下資源調査のために掘削された井戸の跡地だったことが判明しています。地下に溜まったメタンガスの圧力によって地下水が押し上げられた自然現象とされていますが、お祭りの直前に噴き出したタイミングの良さから、地元では「神社のパワーが形になったもの」として畏敬の念を持って見守られました。
- その後:水柱は9月26日に突如として止まりましたが、噴出していた期間中、神社には例年の5倍以上の参拝客が訪れ、水柱をモチーフにした限定の御朱印や「水柱守」が授与されるなど、新たなパワースポットとして注目を集めました。
「飯生(いいなり)」という名の由来と歴史の裏側
神社の名前である「飯生」は、全国的にも非常に珍しい表記です。これは「稲荷(いなり)」に由来しており、「飯(めし)が生まれる」という字面から、五穀豊穣や食の安定を願う強い思いが込められています。
- 伝説と歴史:飯生神社が鎮座する高台は、かつて幕末に南部藩が蝦夷地警備のために設置した「ヲシャマンベ陣屋(長万部陣屋)」の跡地でもあります。1856年(安政3年)に築かれたこの陣屋は、異国船の監視や北方の守りの要でした。神社がこの地に移転したのは1933年(昭和8年)のことですが、かつての武士たちが国を守るために目を光らせていた場所に、現在は町を見守る総鎮守が建っているという歴史の重なりを感じることができます。
パワースポットとしての魅力
飯生神社は、長万部川の下流に位置し、古くから漁業の繁栄と海上安全の守り神として崇められてきました。
- 御朱印の秘密:水柱騒動以降、飯生神社の御朱印は非常に人気があります。季節ごとにデザインが変わるカラフルな御朱印や、水柱をあしらったデザインなど、参拝の記念に求める人が絶えません。
- ニコニコ町会議の舞台:2012年には「ニコニコ町会議」の会場となり、ネット文化と伝統的な神社が融合する珍しいイベントの舞台にもなりました。古くからの伝統を守りつつ、新しい文化や突発的な自然現象を受け入れる、非常に懐の深い神社と言えるでしょう。
長万部温泉街からもほど近く、静かな林に囲まれた飯生神社。巨大水柱が残した神秘的な余韻と、幕末の陣屋跡という歴史のロマンを感じに、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
関連リンク・参考文献
[1] 消えた水柱!~飯生神社・長万部 – 山歩人🕶吉克の山楽日記
[2] 2022年08月: YUU MEDIA TOWN@Blog Archives
[3] 2022年08月: YUU MEDIA TOWN@Blog Archives
